研究会からのニュースを掲載します。
安全・安楽・自立に基づいた移動技術の探究と普及を目指します。
自力で動くことができない患者や高齢者(以下、対象者とします)にとって安全・安楽・自立に基づいた移動・移乗動作は、人間らしく過ごすために欠くことのできない生活活動であると言えます。しかし、それはその介助者にとって身体的負担が大きく、腰痛を引き起こしやすい動作でもあります。したがって、対象者と介助者の両者にとって安全で安楽であることそして常に自立に向けた移動・移乗動とはどのような技術であるのかを常に探究していく必要があります。
私たちは、移動・移乗動作に関心を持ち、2008年から日本看護技術学会の技術研究成果検討委員会において移動動作評価班を立ち上げ、安全・安楽な移動・移乗技術の探究を行ってきました。さらに2017年度からは科学研究費助成を受けて移動技術の普及活動に取り組んで来ました。その成果として、移動・移乗介助Q&Aの発行、移動技術動画のYouTube配信、オンラインおよび対面での研修会の開催があります。ただし、今日においても安全・安楽・自立に基づいた適切な移動動作が知られておらず、普及するには至っていない現状があると思います。
そこで私たちは、2023年5月8日に日本看護技術学会と共同しつつも、独自に研究会を立ち上げ、探究・普及活動の一環として本ホームページを通じて情報発信することにいたしました。「学会活動」と「独自活動」を分けたのは、学会活動を通じて明らかにしたデータや根拠に基づく成果物は「学会活動」にて紹介し、データや根拠が不明確ではあるがよいと思われる方法や検証実験の失敗例、タイムリーな情報は「独自活動」として紹介していきたいと思います。
1)安全・安楽・自立に基づいた移動技術の探究と普及
① よいボディメカニクスとは
② 抱え上げない(ノーリフティング)移動・移乗法とは
③ 適切な移動用具の使用方法の紹介
2)データ収集・実験しながらの移動技術の提案
① ミニ実験の結果紹介(成功しても失敗しても紹介)
② 移動技術をどう教えるか
③ 災害時の対応
3)移動動作のアセスメント・評価の提案
① 対象者の移動動作をアセスメントしているか
② 介助者の移動動作を振り返ろう
③ 移動動作の評価視点・方法の提案
研究会メンバーをご紹介します。
ある日のWeb会議後の研究メンバーによるスクリーンショット写真
(2023年5月現在・五十音順)
国澤 尚子(埼玉県立大学保健医療福祉学部教授/移動動作評価班員*)
首藤 英里香(札幌保健医療大学保健医療学部准教授/移動動作評価班員*)
冨田川 智志(日本福祉大学健康科学部講師/移動動作評価班員*)
西田 直子(京都先端科学大学健康医療学部客員研究員/移動動作評価班長*)
平田 美和(帝京大学医療技術学部講師/移動動作評価班員*)
水戸 優子(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授/移動動作評価班員*/科学研究費助成基盤研究(C)研究代表)
若村 智子(京都大学医学研究科教授/移動動作評価班員*)
*日本看護技術学会技術研究成果検討委員会移動動作評価班
研究会による学会活動をご紹介します。
私たちは、2008年から日本看護技術学会 技術研究成果検討委員会 移動動作評価班に所属し、安全・安楽・自立に基づく移動・移乗動作を分析・評価してきました。その成果物が、「用具を使って楽に移動介助を!移動・移乗技術Q&A」です。
その成果物が、「用具を使って楽に移動介助を!移動・移乗技術Q&A」です。
用具を使って楽に移動介助を!移動・移乗技術 Q&A Ver3.0
(2023年5月現在・五十音順)
書籍名:用具を使って楽に移動介助を!移動・移乗技術 Q&A Ver3.0
発行日:
2017 年 10 月発行 Ver.1.0
2018 年 10 月発行 改訂版 Ver2.0
2022 年 5 月発行 Ver.3.0
著者:日本看護技術学会 技術研究成果検討委員会 移動動作評価班
発行者:一般社団法人日本看護技術学会
理事長 深井喜代子
URL:https://jsnas.jp/research_/technology_03/
※本書の著作権は、日本看護技術学会が保有します。
このQ&Aを安全・安楽・自立に基づいた移動技術の提供にご活用ください。
なお、このQ&Aの活用については、特定の収益に関わらない場合においてご自由にお使いください。特定の収益に関連する場合は、日本看護技術学会にお問い合わせください。 ご意見や疑問点については、ホームページ最下段にあります 【お問い合わせ】 にて研究会宛にご連絡ください。
実践編 FAQ(抜粋版)
対象者の姿勢保持能力、対象者の協力、移乗用具・機器の有無、介助者の人数を条件・基準として選ぶとよいでしょう。その他、対象者の体格、麻痺の有無や身体条件、認知機能に関わる検討の際には、専門家に相談する必要があります。また、使い慣れていない移乗用具を使用する場合も同様です。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q5移乗方法はどうやって、選んだらいいのですか?.pdf
ズボンのゴム部分を持って対象者の身体を持ち上げようとすると、ズボンの股の部分が股間に食い込んで、陰部が圧迫されて不快感や痛みを与える可能性があります。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q6介助ベルト使用のコツ.pdf
スライディングボードを使って、介助者1人で介助する場合は、対象者が1人で座位保持できることが条件になります。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q7スライディングボードを使った移乗介助のコツ.pdf
対象者に移乗の目的・方法を説明し、同意・協力を得る。
対象者の移乗前に、車椅子とベッド周りの空間を確保する。
ベッドの高さを車椅子座面と同じか、5㎝程度高く調整する。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q8スライディングボード介助者2名のコツ.pdf
拘縮や麻痺がある、認知機能が低下している等で、対象者が1人で座位保持が出来ない場合や協力が得られにくい場合は、介助者2人で移乗介助を行います。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q9移乗用リフトでの移乗介助のコツ.pdf
スライディングシートと移乗用ボードを使う移乗は、基本的に介助者2人で両側に立って安全を考えて行います。「持ち上げない」「抱きかかえない」「引きずらない」という原則をもとに以下のようなポイントで行います。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q10スライディングシートと移乗ボードを使った移乗介助のコツ.pdf
移乗用ボードを使う移乗は、基本的に介助者2人で両側に立って安全を考えて行います。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q11移乗用ボードを使用した移乗のコツ.pdf
ベッド上の移動では、スライディングシートを使用する方法があります。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q12ベッド上移動用具のコツ.pdf
災害時の避難に備え、普段の移乗・移動時の用具をいつでも使えるように整えておきましょう。
また、災害時は、移乗だけでは目的を完了できず、避難所までどうやって移動するかをセットで考えなければいけません。目的地・移送ルート等によって、移動方法が変わります。災害時専用の移乗用具の確保も進めましょう。
詳しくはこちらの PDFファイル をご覧ください。
実践編Q13災害時の備え.pdf
研究会の独自による活動をご紹介します。
只今準備中です。
移動動作評価研究会へのご意見、お問い合わせはこちらへ